一条工務店でi-smartⅡを建て2年目になりました、むらさきと申します。
我が家は一条工務店の地盤調査にて、地盤補強が必要との結果がでました。
地盤補強について比較検討した結果、既成コンクリートパイル法を選択しました。
今回は地盤改良について調べたことをまとめてみます。
基本情報
- 一条工務店 i-smartⅡ
- 築年数:約2年
- 延床面積:約30坪
- 地盤改良:既成コンクリートパイル法(H型PCパイル)
地盤調査
地盤調査はスクリューウエイト貫入試験(スウェーデン式サウンディング試験)が行われました。
先端にスクリューがついた鉄の棒を地面に差し込み、強度を測定します。
4カ所測定されてました。
結果は、「自沈層が連続して確認された。建物の水平性を長期的に維持する為に、根本的な対策が不可欠。」
自沈層は、回転を加えずに重りを乗せただけで棒が沈んでいってしまう、地盤が弱い層ということです。
主な地盤補強工事は4種類
地盤補強は、
- 地盤そのものを固める地盤改良
- 既成の杭を打ち込む工法(杭基礎)
の2つに分けられます。
代表的なものとしては、
地盤改良ー「ソイルセメント(柱状改良工法)」「表層改良工法」
杭基礎ー「小口径鋼管工法」「既成(PC)コンクリートパイル工法」
があります。
この地盤補強工事について、メリットデメリットをまとめてみました。
地盤改良:ソイルセメント(柱状改良工法)
セメント系固化材と水を混ぜたもの(ミルクセメント)と現場の土と混合攪拌し、地中に柱状の杭を作る工法。
おそらく、何も指定しなければこちらになるのが一般的かと思います。
- メリット
-
- コストが安い
- デメリット
-
- 土質によっては固化不良をおこす
- 深さ8m程度までしか施工できない
- 現場施工のため、強度の保障が難しい
- 産業廃棄物扱いになる →土地売却の際に撤去費用がかかる
- 土壌汚染(六価クロム)のリスクあり →土地の資産価値低下の恐れ
- 固化に時間を要するため、次の施工までに養生期間が必要
- 粉塵が舞う
地盤改良:表層改良工法
地表全面の土を2mほど掘り起こし、セメント系固化剤と混合して締め固め、板状の土台をつくる工法。
軟弱地盤が浅い時のみ適応。
- メリット
-
- コストが安い
- 狭小地、変形地でも施工可能
- デメリット
-
- 土質により固化不良を起こす
- 現場施工のため、強度の保障が難しい
- 産業廃棄物扱いになる →土地売却の際に撤去費用がかかる
- 土壌汚染(六価クロム)のリスクあり →土地の資産価値低下の恐れ
- 固化に時間を要するため、次の施工までに養生期間が必要
- 粉塵が舞う
杭基礎:小口径鋼管工法
鋼管(鉄)の杭を打ち込み、地盤を強化する。
8mを超える軟弱地盤が続く土地で採用されることが多い。
- メリット
-
- 地質の影響を受けない
- 深いところまで施工可能
- 固化不良のリスクなし
- 土壌汚染(六価クロム)の心配がない
- 残土がほとんど出ない
- 重機が小型なため、狭小地でも施工可能
- 素材の強度が強い
- 耐腐食性が高い
- 曲げモーメント(曲げようとする力)に対する抵抗力が高い →水平を維持しやすい
- デメリット
-
- コストが高い(支持層まで挿入する必要があるため、深さによって費用が変わる)
- 土地を売却する際に鋼管杭の撤去費用がかかる
杭基礎:既成コンクリートパイル工法
あらかじめ工場で製造されたプレキャストコンクリート杭(PC杭)を圧入し、建物を支える工法。
- メリット
-
- 地質の影響を受けない
- 固化不良のリスクなし
- 土壌汚染(六価クロム)の心配がない
- 残土がほとんど出ない
- 素材の強度が強い
- 耐腐食性が高い
- 曲げモーメント(曲げようとする力)に対する抵抗力が高い →水平を維持しやすい
- PC杭はヒビが入らず、サビに強い
- デメリット
-
- 土地売却の際には杭の撤去費用がかかる
重機が大きく、住宅用には不向き→小型重機が開発、住宅地でも施工可能にコストが高い→関東にPCパイルの工場ができたため、コストダウン
まとめ(ざっくり比較)
- ●コスト
-
(安い)表層改良工法<柱状改良工法<既成コンクリートパイル工法<小口径鋼管工法(高い)
深さなど条件によって価格変動するため、一概には言えない。
ちなみに我が家は既成コンクリートパイル工法のほうが柱状改良工法より安かった。 - ●施工の深さ
-
(浅い)表層改良工法<柱状改良工法<既成コンクリートパイル工法<小口径鋼管工法(深い)
- ●土壌汚染(六価クロム)
-
あり:柱状改良工法、柱状改良工法
なし:小口径鋼管工法、既成コンクリートパイル工法
- ●強度の信頼性
-
杭が工場生産のため、安定している:小口径鋼管工法、既成コンクリートパイル工法
現場施工のため、現場による:柱状改良工法、表層改良工法
- ●近隣への影響
-
柱状改良工法、表層改良工法:現場でセメントと土を混合するため粉塵が舞う
- ●土地売却時
-
どの工法でも売却時は撤去費用がかかるが、杭を抜くだけの杭基礎のほうが原状復帰はしやすい?
- ●残土
-
小口径鋼管工法、既成コンクリートパイル工法は圧入式のためほとんど発生しない
実際の作業を見ましたが、棒を突き刺して埋めていく感じで全然排土は出てませんでした。
まとめ
今回調べていて思ったのは、情報を精査するのが難しいということ。
企業のサイトだとどうしても自社で取り扱っているものを有利に書くため、同じ工法でもメリット・デメリットが異なっていることが多々ありました。
表層改良工法に騒音・振動が少ない。と書かれているサイトもあれば、
逆に、小口径鋼管工法は重機が小さいから表層改良工法に比べ騒音・振動が少ないとかかれているサイトもあり…。
一条工務店のホームページにある地盤補強の記事では、表層改良工法にはデメリットが多く書かれているものの(施工者の技術による強度のムラ、残土量など)、似たようなデメリットを持つ柱状改良工法には書かれていなかったり。
一条工務店でも柱状改良工法が主流なので、あまりデメリットは書けないんですかね。
あとは、〇〇が優れている、等書かれている場合でも、何と比較してなのか書かれてないことが多かったので判断が難しかったです。
表層改良工法に関して、現場の土を使って混合するため残土量が少ない。と書かれていることもありましたが、明らかに杭基礎のほうが残土が少ないので、何と比較してなのかはよくわからず。
何を選択するにせよ、しっかり自分で調べて納得して選択することが大事ですね。
最終的に我が家は「既成コンクリートパイル工法」を選択し、なおかつ「H型PCパイル」を採用しました。
そちらの詳細に関しては別記事を。